Naoshima01 |
シーン直島1 |
瀬戸内海に浮かぶ美しい島のひとつ、直島。船着き場の周囲では島の人々が忙しく動き回り、活気のある様子だ。 たくさんの警備陣、マスコミらに交じってボンドがフェリーを降りてきた。 向こうから人なつこい笑顔を浮かべた日本人らしい初老の男が近づいてくる。 タイガー「やっと来たな! ボンド」 ボンド 「タイガー、もっといい男だと思ってたが」 タイガー「相変わらずだな、ボンド。今回は特にシビアな警備が必要になるぞ」 2人の前には、ベネッセのオーナーが特別に用意した特別仕様のセルシオが停まっていた。 |
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Naoshima02 |
シーン直島2 |
滑るように島内を走るセルシオ。車内はよく整備されていて、後部にはバーやテレビが完備されている。シャンペンを飲みながら、興味深そうに窓の外を見るボンドだった。 建築家安藤忠雄氏がデザインした日本の伝統的家屋や、斬新ななかにもどこか懐かしさを感じさせる町役場が通り過ぎていく。 タイガー「ここは島全体が、アートそのものなんだ。君にわかるかな」 ボンド 「君にわかるのなら、僕にもわかるよ」 セルシオは、直島の町並みを走り抜けていく。 やがてセルシオは、ベネッセハウスの入り口に到着した。 その偉容にボンドの顔が思わず引き締まった。 |
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Naoshima03 |
シーン直島3 |
タイガーに案内されて、瀬戸内海を見下ろす山上の別館にある泉のそばを歩くボンド。泉からは間断なく水が流れていて、その泉の周りを囲むように、豪華な部屋が配置されていた。 ボンド「これだけの感性豊かな建築物にはお目にかかったことがないな」 ボンドは部屋の窓を開けた。瀬戸内海が一望できた。海風が部屋に吹き込んでくる。ボンドは何かを決意するように大きくうなずいた。白い建物と太陽と海と空のコントラストが美しいたたずまいを見せていた。 |
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Naoshima04 |
シーン直島4 |
大きなギャラリーにある、ブルース・ノーマンの芸術作品「百回生きて死ね」の前に、二十人ほどの公安調査庁の警備陣が集合していた。タイガーが全員にボンドを紹介している。ボンドは軽く会釈した。ギャラリー内を見て回っていたボンドは部屋の中央にある石膏で作られた人間の心臓のオブジェを興味深そうに眺めていた。 それは、直径6フィート位の大きさであり、本物そっくりの構造と着色がなされている。そして驚いたことに、その心臓の真ん中には杭が突き刺さっていた。 |
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Naoshima05 |
シーン直島5 |
瀬戸内海を染める美しい夕焼け。その静かな美しさとは裏腹に、ここ直島の特設ヘリポートは轟音とあわただしさで溢れている。 翌日からのG8会議を前に、世界各国の要人たちが続々と到着しているのだ。 小高いホテルのデッキから、その到着を厳しい顔で見ているボンドだった。 |
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Naoshima06 |
シーン直島6 |
すっかり人のいなくなったギャラリー。明日の会議を控えてひっそりと静まりかえっている。その時、ハート型のオブジェが動いた。次の瞬間、「心臓」の中から現れたのは、例の殺し屋・河童だった。 河童はあたりに誰もいないことを慎重に確かめた。そして中からいくつものスプレー型の殺虫剤のような缶をとりだした。その中には、あの恐ろしい「殺人蚊」が詰め込まれているのだ。 彼は、痕跡の残らないよう細心の注意を払うと、再び「愛の心臓」の中に入っていった。 |
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Naoshima07 |
シーン直島7 |
いよいよG8会議が始まった。突然、出席者であるイタリア人が自分の右腕を手でたたいた。次の瞬間、 別のイギリス人の通訳の方からも平手打ちの音が聞こえてきた。ボンドは反射的にインターコムに叫んだ。 ボンド「全員を外に出せ!今すぐだ!」 警備陣が一斉に走り出し、全員を抱えるように外へ連れ出そうとした。 ボンドの眼に、何十匹という「殺人蚊」が出席者の頭上を軽やかに静かに飛んでいるのが見えた。 |
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Naoshima08 |
シーン直島8 |
その時「愛の心臓」の中から河童が飛び出してきた。ボンドの上半身に飛びついて彼を押し倒すと、手に持ったナイフで刺そうとする。 ボンドは床に押しつけられながらも河童の右手をつかんで反撃に出た。二人は床の上で激しく組み合った。 ボンドは両手で河童の手首をつかむと腕をねじりあげナイフを持つ手に激しく一撃を加えた。河童は倒れそうになった体勢を整え、ギャラリーの外に向かって逃げだした。 |
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Naoshima09 |
シーン直島9 |
ボンドは河童を追って外へ走り出した。河童は、信じられない身軽さで石の壁を飛び越えた。ボンドも続いて、石の壁を越え、回廊を走った。 ボンドと河童は別館へ通じるケーブルカーの駅付近を駆け上がった。 |
Posted by O |
Naoshima10 |
シーン直島10 |
別館の屋上へ河童を追いつめ、なおも逃げようとする河童にボンドは後ろから飛びかかった。ボンドは河童を地面に押し倒し、銃を突きつけた。ボンド「どうやら、この美しい景色が貴様が人生で最後に見るものになりそうだな!」 河童は銃口を恐怖に満ちた眼で見つめながらつぶやくように言った。 河童 「わ、わかった! ちょっと待ってくれ・・・!」 |
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and |
そして、、、 |
2人の後ろには、おだやかな朝の光に包まれた瀬戸内海が美しく拡がっているばかりである。ボンドの活躍と、河童の告白により赤い刺青の男・吉田吾郎の世界的陰謀が明らかになり、日本と英米政府は、敵のアジトであるエトロフ島に攻撃部隊を出動させた。 応戦する敵の攻撃をかいくぐって攻撃ヘリのバルカン砲が火を噴く。ミサイルが飛び、大地を揺るがす爆音と轟音がする度に敵は、じりじりと追い詰められる。 激しく苛烈な戦闘が終わり、敵のアジトは壊滅した。しかし、そこに吉田吾郎の遺体は発見されなかった。 そして、この物語も、意外で衝撃的なクライマックスになだれ込んでいく。 |
Posted by O |
NAVI |
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